マムシグサ

山道の脇、湿っぽい林縁で鎌首をもたげるマムシグサ。
はじめてコイツを見たのは10歳の頃だったか、父方の祖父母の金婚式ということで家族揃って高千穂へ里帰りした時だった。
父としては、家族揃って自分たちの生まれ故郷に来ることは恐らくもう無いだろうとの思いからか、少年時代の思い出の場所へと連れて行ってくれたのだ。
そんな場所の一つ、深い谷間を降りていった先にある川原へと歩いている時に見つけてギョッとしたのがこのマムシグサだったのだ。

mamushigusa01.jpg
Canon EOS 20D
EF100mm F2.8 MACRO USM

鎌首をもたげたヘビのような、あるいは食虫植物を連想させるような形とシマシマストライプの仏炎苞、茎(偽茎)の怪しげな模様。薄暗いジメジメした場所に生えていて、しかも名前がマムシグサときたもんだから10歳の子供にとってはかなりのインパクトだったに違いない。
今住んでいる土地では普通に生えていてすっかり見慣れてしまったマムシグサだが、今でも鮮明にそのときのことを思い出すことが出来る。しかし・・・父が本当に見せたかった川の様子はあんまり覚えていないというのはどうしたものか(笑)

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