ツユクサ

tuyukusa.jpg
ツユクサ科ツユクサ属

道端に咲く花の中で、私の中の最も古い記憶にある花が多分このツユクサだと思う。もちろんヒマワリだとか朝顔といった花を先に覚えたはずだとは思うのだが。
小学校に上がる前の年、父の転勤で延岡から倉敷に引っ越した。まだ建設中だった社宅が完成するまで春から秋にかけて半年だけ住んでいた水島の借家での記憶がやけに鮮明に残っているのはなぜだろう?
その夏の朝、父と自転車に乗って近くの小川へフナ釣りに行った。朝露だったのか、雨上がりだったのか覚えていないが草むらは水滴がびっしりで、そんな中透き通るような青い花弁のツユクサが咲いていたのが何故だかとても印象に残っているのだ。いや、正直に言うと花の美しさが印象に残ったのではなく、その苞をばらすと中に豆みたいなものが入っているのが興味を惹いたのだが。
思えば色々な記憶の原点がその頃に集中している。季節感あふれる匂いの記憶や、自分自身を男子だと認識し始めたこと、一人で踏み切りを渡るのが怖かったこととか雹が降ってびっくりしたこと、そしてなんとなく嬉しかった隣の女の子がほっぺにチュ-してくれた記憶(笑) まあ、いわゆる物心がつくという時期だったのだろう。
そんな懐かしく遠い記憶の中にある花だからか、私はこの花が今でも好きだ。
OLYMPUS E-1
ZUIKO DIGITAL ED50mm F2 MACRO

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