仙人の髭に誘われて

思いがけず寒さの続いているこのところの鹿児島だが、おかげで撮影対象も「乾きもの」が増えてきている。

senninsou3.jpg
センニンソウの種

Canon EOS20D
EF 70-200mm F2.8L USM
SIGMA APO TELE CONVERTER 1.4×EX

山道で何か木の実でも成っていないかなと見上げるとセンニンソウの種がまだ残っていた。この白い髭を仙人のそれに見立てて名づけられただけあって、なかなか立派な髭である。
上ばかり見上げて草むらに踏み込んだら、ズボッと40センチほどの穴に片足がはまってしまった。どろっとした茶色い液体が穴からふき出してくる。げっ!まさか「こ〇だめ」か?
片足になにやらドロッとした感触を感じながら子供の頃のある出来事の記憶が一瞬にして蘇った来た。その出来事とは・・・。


小学校への通学路は田んぼや畑に囲まれた細道だったのだが、途中の畑に「こえ〇め」があった。もちろん間違ってはまらないように木の板が被せてあった。
ある日のこと、近所の子供達数人と一緒の帰り道で、誰かが度胸試しにその板の上に乗って見ようと言い出した。そんなん平気じゃとばかりに代わる代わる板の上に乗ったのだが、見た目より丈夫だったらしく板は割れることは無かった。最後の一人も無事乗って、みんなが「なーんだ」となりかけたその時、彼はこともあろうか板の上でジャンプして見せたのだ。
割れる気配が無かったのに安心しきっていたのか、それとも場を盛り上げようと思ったのだろうか。
ああ、しかし次の瞬間その板はバキッという音とともに割れ、勇者は無残にも「こえだ〇」の中に首までつかってしまったのだ。
間髪をいれず、我々は走った!ク〇まみれの勇者を置き去りにして一目散に逃げ出したのだ。なんという残酷な仕打ち!
私は逃げながらも後ろを振り返ると、全身どろどろの彼はすっかりしょげ返って追いかけてくる元気もなく、ただトボトボと歩いていた。他のみんなは立ち止まりもせず逃げてしまったのだが、さすがに気の毒になり用水路のところで待つことにした。彼は私の一番の親友だったのだ。
すっかり意気消沈した彼に、用水路で身体についた〇ソを洗い流すよう勧め、その後一緒に家まで帰った。ウンコを付けられるんじゃないかと言う緊張感と、そして友達を見捨てて逃げ出したと言う罪悪感とともに。
・・・・・そんなことを思い出しながら恐る恐る足を抜いてみる。ちょっと腐敗臭はするがどうやら枯葉が堆積して泥状になったもののようだ。
ふ~っ、最悪の事態は避けられたようだ。それでも片足は膝までドロドロ。仙人の仕掛けた見事なブービートラップ」に引っかかってしまい、ほうほうの態で退散せざるを得なくなった。

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